韓国視察その1
6月下旬、北九州商工会議所の都市問題委員会の一行として、韓国に視察に行ってきました。その内容を数回に分けて紹介します。
まずは、ハブ空港やビジネスの新たな都市モデルとして注目されている「仁川経済自由区域」。仁川国際空港は、日韓共催サッカーワールドカップに合わせ2001年に開港した空港で、ソウル近郊都市圏の国際空港の中心は金浦空港から仁川国際空港に移行しています。この仁川空港の人工島(ヨンゾン)を中心に、松島(ソンド)とチョンラという3つの地区が3角形の配置で開発されています。
ソウル市が1千万人強で、仁川広域市が3百万人弱ということで、ちょうど東京と横浜市という位置関係に似ています。
松島地区の中で、都市模型を見ながら説明を受けました。日本では考えられないような短期間で、これだけの都市ができるのですから、韓国という国もすごいなあと思いました。
ソウル市に近い従来からの金浦空港と、仁川空港とは、2007年に鉄道で結ばれ、2010年にはソウル市まで開通しています。
鉄道については、KOREILという鉄道会社に説明をしていただきました。空港アクセス全体の中で、この鉄道が占める割合は約10%ということで、これは意外と少ないものだと思いました。バスや自家用車が圧倒的に多いということになります。
空港アクセス鉄道としてペイするかという我々からの質問に対しては、「そもそも鉄道単独でペイしているところなんてあるのか?」と尋ねられ、意識の違いを感じました。日本では、すぐに収支を問われますが、鉄道などのインフラは、収支を問うというよりは必要なものかどうかという判断が諸外国では一般的なのです。