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福祉交通セミナーの議論

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福祉交通セミナーの議論
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 昨日の福祉交通セミナーは、35名というこじんまりとした規模でしたが、そもそもの募集定員が20名でしたので、みんなで議論することが目的だったと思われます。
セミナーの内容は、前のブログで紹介した通りで、その詳細を書くと長くなるので、自分が興味があった点だけ紹介します。
 交通基本法の中に「移動権」が入らなかったことについての議論があり、交通基本法案検討小委員会の委員の中で、4対11で負けたという話がありました。私は、移動権が盛り込まれることが一番意味のあることだと思っていますが、これだけ反対があるとは意外でした。マイノリティのことを重視することに対し、高度な知識を持った委員でさえも否定的なのだから、世間はもっと理解ができないものかもしれません。
 世田谷の配車センターと杉並の情報センターとの違いについて、補助事業と委託事業の違いだという話がありました。確かに、委託というのは本来行政がすることを誰かに代わってさせることなので、行政の関わり方が大きく、杉並区の事例がモデルケースになればいいのかもしれません。
 「移動の価値」という言葉が出てきました。消費者が大根を手に入れようとする時に、家まで持ってきてもらっても、自分が買いに行っても、手に入れるということには変わりはないが、移動して購入するということ自体に価値があるという話です。タクシーも、単なる移動手段ということではなく、移動の価値を高めるような存在でないといけないと思いました。
 ロンドンのタクシー事情は、人口800万人弱なのに、タクシー25,000台、ハイヤー40,000台もあって、それぞれが福祉に対応できないほど忙しいそうです。一方、東京は人口が1,300万人で、タクシーが個人も合わせて6万台弱とロンドンに比べて少ないのに、売上が低いと嘆いています。この違いの原因は何でしょうか?
 議論の最後はいつも財源問題になります。福祉交通もインフラと考えるべきであり、何らかの財源を確保しなければいけないことは、福祉交通に関するどんな会議でも言われることですが、政策に反映できる力がないことは残念なことです。
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