世田谷区の移送サービス配車センター
次に訪問したのが、「世田谷区福祉移動支援センター」です。区の施設である高齢者活動・移動支援施設の中に間借りしています。
ここでは、世田谷区がNPO法人に委託して、福祉有償運送などの移送サービスに関する配車センター業務を行なっています。事務局スタッフは、1~2名が常駐していて、区民からの問合せや移送サービスの依頼を受けています。
センターに登録している事業者は、福祉限定タクシーが28、民間救急が3、福祉有償運送が8の合計39事業者です。区民からサービスの依頼があった場合、車両の要件などを考慮の上、近い事業者などの基準でメール配信にて依頼をしています。
ほとんどが翌日以降の依頼なので、事業者を探す苦労はあまりないようです。逆に、事業者からすると登録している以上、もっと仕事が欲しいということもあり、平等に配車することにも気を使っているようでした。
世田谷区の福祉タクシー券は、福岡県内のような初乗券ではなく、500円と100円額面の券でした。交付額は、1ヶ月で3,400円分です。ちなみに、隣の杉並区は、5,300円ですが、次の補助券はないようです。
また、車椅子用タクシー補助券というのを、世田谷区で初めて見ました。これは、車椅子のまま乗車して利用する際に、予約料と迎車料が免除になる券です。こちらでは、多くの事業者が400円程度の予約料や300円から初乗り程度の迎車料を設定していて、結構高額な値段になっているようです。ただ、スタッフの方の説明では、値段については大きな不満にはなっていないような感じでした。
配車センターの運営費は、年間で7百万円程度です。もちろん、費用の大部分は人件費ですが、最低限の費用だと思われます。実際の配車回数は、月に100回程度で、単純に1回あたりの経費を算出すると約6千円となります。高いと言えばそれまでですが、行政サービスというのはそういうものだとも言えます。何らかの用事で移動したいときに、迷わず連絡できる先が整っているということも大切なのでしょう。あとは、市長の判断というところでしょうか?