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土木学会報告その8

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土木学会報告その8
8.選択性の高い市場におけるタクシー産業の活性化とアクセシビリティの確保に関する検討(吉田・福島大学准教授)
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 ちちぶ定住自立圏で実証実験が行われている「回数券タクシー」を事例として、タクシー運賃割引と定額運賃の導入による需要の活性化と人口希薄地域におけるアクセシビリティ確保の可能性について論じたもの。
 秩父は私の出身地ですが、「定住自立圏」という言葉は知りませんでした。秩父市、小鹿野町、皆野町、長瀞町までを指すそうです。「回数券タクシー」は、登録された住所(自宅)から、鉄道駅3箇所(比較的近い所です)、大型小売店、病院の7箇所までの間に限り、定額で使えるものです。定額の算出は、自宅から一番遠いところまでのタクシー運賃の半額で設定し、割引分は実証実験の経費で埋めるというものです。1年間の延べ利用者は420人、3月末時点での会員数が53人、延べタクシー運賃が百万円ほどで、その半分弱が補助金となっています。1年の割には、大きな経費にはなっていないという感想です。
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 割引率と利用可能性についての推計結果では、28%から36%の間にすることが適正であるという結論でした。
 この実験は、いわゆるゾーン制運賃的な実験とも言えるもので、なかなかおもしろい取組みだと思いました。利用者にとって、行きたい数箇所のどこにいっても定額という設定は、今後の運賃の参考にはなると思いました。
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