大都市近郊区間と大回り乗車
JRの運賃制度に「大都市近郊区間」というものがあります。これは、東京、大阪、新潟、福岡の決められた範囲内で、経路に関わりなく最短の運賃で乗車できるというものです。運賃計算の本来は、経路でもって計算するものですが、この区間内だけは便宜上最短で計算するというものです。
JRの説明には、次のように書かれています。
○図のそれぞれの大都市近郊区間内のみを普通乗車券または回数乗車券でご利用になる場合は、実際にご乗車になる経路にかかわらず、最も安くなる経路で計算した運賃で乗車することができます。
○重複しない限り乗車経路は自由に選べますが、途中下車はできません。途中で下車される場合は、実際に乗車された区間の運賃と比較して不足している場合はその差額をいただきます。
この制度を利用して、鉄道ファンの間では「大回り乗車」と言って、隣の駅に行くのに大回りして電車を楽しむということが行われます。
福岡近郊区間でみてみると、博多-吉塚間の切符で、博多-原田-桂川-新飯塚-上伊田-城野-西小倉-折尾-香椎-吉塚という経路を乗車することができます。もし、間違って途中で下車してしまうと、不足分の運賃を払わなければなりません。
東京近郊区間を見てみると、かなり広範囲になるので、130円のきっぷでまる1日乗車する経路を選ぶことも可能です。ただ、計画なしに大回りすると目的の駅に帰ってこれなくなると不足分の運賃が必要になってしまいます。
意外と知っているようで知らない運賃制度です。