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貸切バス運転手の乗務距離上限について

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貸切バス運転手の乗務距離上限について
ツアーバス事故により、貸切バスの運転者の乗務距離についての報道がいろいろとなされているので、ちょっと整理してみたいと思います。
 貸切バス運転者の労働時間等の基準については、国交省ではなく、厚労省が示している「バス運転者の労働時間等の改善基準」というものがベースになっています。
 改善基準によると、
1)1日の拘束時間は13時間以内を基本とし、これを延長する場合であっても16時間が限度(1週間のうち2回が限度)。
2)1日の休息時間は8時間以上。
3)1日の運転時間は2日(48時間)平均で9時間が限度。
4)連続運転時間は、4時間が限度。(4時間30分の間に合計30分の休憩が必要)。
という基準が定められています(詳細は省略します)。
 この基準に対して、平成19年10月に取りまとめられた検討会の結果、時間による基準では個々の運行における交代運転者が必要か否かの基準が曖昧であるとの指摘で、乗務距離の指針が示されたのです。
 それによると、
・1日あたりの9時間に相当する乗務距離上限は、高速道路で670キロmとする。ただし、一般道路は距離を2倍とする。
事例として、新宿~長野~富山~金沢(拘束445、一般49、回送70km)とすると、
445+(49+70)×2=683>670
により、この場合2人乗務となります。
 この670kmが今回の事故で見直されるとの報道もありました。しかし、おおもとの厚労省の改善基準告示から、十分検討する必要がなるのではないかと、私は思います。
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