介護保険制度を取り巻く状況
4月27日開催された介護保険給付費分科会資料に、「護保険制度を取り巻く状況」という資料が配布されています。その一部を紹介します。
まず、要介護認定者数の推移ですが、2000年4月末218万人→2010年4月末487万人と2.2倍に増えています。65歳以上の被保険者数は、1.34倍ですから、高齢者の数の増加よりも要介護者の増加の方が多いということです。これは、本当に介護が必要な人が増えたのか、介護保険制度の普及で増えたのかを分けて分析するのは難しいところです。
次に介護保険サービスを使っている人の推移です。2000年4月149万人→2010年4月403万人と、2.7倍に増えています。当初は認定だけの方が多かったのが、実際にサービスを利用す
る方が増えたということでしょう。
最後に介護給付費の伸びです。3.2兆円から7.3兆円まで増えていて、今後もほぼ直線的に増えていきそうです。
こういった資料が分科会で示されて、果たして「これを何とか抑制しないといけない」と暗に言っているのでしょうか?そうであれば、それは根本的な間違いであり、分科会で予算の話をするのは筋違いだと思います。分科会では、「どうやっていいサービスを受けて、尊厳ある人生を送っていけるか」ということを議論して欲しいものです。