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続:適正車両数算出の考察

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続:適正車両数算出の考察
適正車両数についての考察の続きです。
 東北運輸局の郡山交通圏で、4台の増車枠が出てしまい、減車を進めてきた中での増車に地元の業界が驚いています。何故、そうなってしまったのでしょう。適正車両数算出の式をもう一度眺めながら、その原因を考えてみました。
 適正車両数の算定式を私なりに分解してみると、次のようになります。
適正車両数=(平成25年度総走行キロ×実車率×対前年度比×平均車両数×365×平均実働率)÷(平均総走行キロ×H13年実車率×365×H13年実働率)
 この割り算の分母と分子は年度が違うだけで同じ数字が並んでいて、総走行キロと実車率と実働率が5年間全く変わらなかったとすると、平均車両数だけが残ることになります。郡山の場合、例えば、車両数をどんどん減車し、
平成20年700台
平成21年680台
平成22年660台
平成23年640台
平成24年620台
平成25年596台
とすると、5年間の平均が639台となり、適正車両数が平成25年よりも増えることになります。ただ、そうなるためには、車両台数が減少しても総走行キロが変わらない、つまり1台あたりの走行キロが上がらないといけません。
 上記は極端な事例で、公示の資料の数字をあてはめて計算すると、593両になり、増車枠はないことになります。これは、数字の桁数の問題であり、それくらい微妙な結果で増車枠が出た場合でもそうするのかというのは、協議会にでも諮ったらいいのではないかと思います。
 今回、私が指摘したかったのは、1台あたりの走行キロ(実車キロ)を減らさないように減車をした結果が、増車へと導いてしまうような計算方法というのは、ちょっと合理的ではないと感じた次第です。
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