東田第一高炉史跡の解説
東田第一高炉史跡について、少し説明します。
明治34年(1901)2月5日、東田第一高炉への火入れが、行われました。これが日本の製鉄所の始まりです。現存の東田第一高炉は第10次改修高炉であり、公称能力900トンを誇る日本最初の高圧高炉として建設され、昭和37年(1962)8月の火入れから昭和47年1月の吹き卸しまで操業したものです。
外観写真を見ると、高炉の上部まで斜めに上がっているものが、鉄鉱石やコークスなどの原料を運ぶコンベヤーです。右側に見えるのは、熱風炉と言って、高炉の下部に吹き込む空気を1000度くらいまで温める装置です。鉄鉱石は、鉄の酸化物なので、これを還元しないと鉄ができません。コークスに熱い空気を入れて燃焼させることによって、COガスができ、これによって還元することができます。熱い空気ってどうやって作るのでしょう?熱風炉とはよく考えたもので、まずはガスで燃焼させてレンガを熱くしてから、熱いレンガの中を空気を通すことによって作ります。
上の写真は、熱風を吹き込む羽口というものですが、本体は取り外されています。この開口部から、炉内が覗けるようになっていて、それが次の写真です。
高炉の内部はレンガ以外何もないのですが、吹き降ろした時の銑鉄がそのまま残っているように、上手に再現されています。
高炉から溶けた銑鉄がでるのが、出銑口であり、炉前での作業の様子がよく再現されています。私も現場研修のときは、こんな耐火服を着て作業をしていました。
溶けた銑鉄は、トーピードカーという貨車に流し込まれて、次の製鋼工場へと運ばれます。この東田第一高炉史跡は、溶鉱炉を勉強するのにとても参考になると思います。興味のある方には、なかなかいい史跡だと思いますよ。