タクシーの時間制運賃は改めるべき
タクシーの運賃制度には、距離制運賃、時間距離併用運賃、時間制運賃という3つの種類があります。この中で、ほとんどは時間距離併用運賃といって、タクシーメーターにより、距離を基本としつつ時速10km以下になると時間制運賃が併用されるものが使われています。
「時間制運賃」について、私はいろいろと調べてきました。本来、事業者の意図を反映して決められてもいいものですが、時間制運賃については何故か「聖域」になっており、今まで事業者が考える余地がなかったものです。
時間制運賃は、1時間あたりの運転手の労働に対する対価に相当するものなので、生活費の高い都会では高く、田舎ほど安くなってもいいものです。ところが、それが全く関係ないのです。上の図は、横軸に各県の最低賃金を、縦軸に各県の代表的な地域の時間制運賃をとり、グラフにしたものです。全く相関はなく、むしろ負の相関になりそうな感じです。
何故こうなったのでしょう?それは、時間制運賃の成り立ちに起因しています。時間制運賃は、距離制運賃で1時間にどれだけ走るかということから算出されてきたので、田舎の方が走れる速度が大きくなって高くなるという矛盾した結果になったりしているのです。
時間制運賃は、観光タクシーの料金基礎にもなっており、本来なら最低賃金に比例してしかるべきです。こんなおかしな制度が、どうして東大卒ばかりの国交省でも継続されてきたのか、不思議でなりません。
タクシーの運賃制度は、一度振り出しに戻しませんか?