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タクシー100周年に思う

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タクシー100周年に思う
今年は、タクシー100周年の記念すべき年になります。
 1912年東京市有楽町にタクシー自働車株式会社が設立され、T型フォード6台で8月5日に営業を開始したのが初めと言われています。この時の料金が1マイル60銭。1マイルが約1.6kmであることから、それがそのまま今に引き継がれている地域も多いのが実情です。
 タクシーを所管する道路運送法ができたのが1951年で、第二種免許ができたのが私が生まれた年の1956年。100年のうちほぼ半分が道路運送法下の規制の枠に入っていた時期で、果たしてそれがどうだったのか、この記念すべき年に検証して欲しいものです。
 個別運送事業は、タクシーが最初だった訳ではなく、馬車、籠、人力車などを考えると、かなり時代は遡ります。昔を想像すると、恐らくこの時代のほうがいろんな形の運送サービスがあったのではないかと思います。
 北九州のタクシー運賃は、初乗りが1.6km650円。最初のマイルが本当にお客様のニーズに合っているのか、爾後の加算が合っているのか、規制が始まって以来ほとんど研究されてこなかったことに、もっと疑問を持つべきだったのではないでしょうか?時間制運賃などは、「今、何故30分1950円なのか」誰も説明ができないような不思議な設定です。
 サービスについても、タクシーの運送の開始が乗車から降車までという基本の認識から、乗車前の手荷物補助や観光案内、介護、見守りなどの付帯サービスに対する適切な評価についてもその都度検討する必要があったのではないか?介護タクシーが始まった時には、私もその評価のあり方について議論を進めようと努力したのですが、結局は運輸当局の理解がなくて適切な運賃や介護サービス評価について前に進むことができませんでした。考えてみたら、100年で何も変わっていないといっても過言ではないでしょう。その大きな責任は、(あまり他人のせいにはしたくありませんが)道路運送法そのものといってもいいと思います。
 そんな意味で、ぜひ検証して欲しいと思うひとりです。
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