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絵に描いただけの「事前確定運賃」

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絵に描いただけの「事前確定運賃」
「事前確定運賃」の認可申請受付が7月から開始になることに伴い、九州運輸局から申請をするかどうかの調査依頼がありました。
 以前のブログでも指摘しましたが、この「事前確定運賃」に高いハードルを付ける意味がわかりません。全国の隅々までやろうとしていないのか?一部の大企業のタクシーだけがやればいいと思っているのか?そもそも、誰のための運賃改革なのか?利用者の利便性を向上させるためではないのか?やはり、国交省は相当おかしいと言わざるを得ません。
 弊社に届いた調査依頼には、まず申請の条件として、
1. デジタコと2.配車アプリが導入されていること、
と書かれています。配車アプリは兎も角として、デジタコまで必要なのかと思いませんか?この制度には、ほとんどの事業者が乗ってこないでしょう。
 事前確定運賃で、一番ややこしいのが、距離から算出した運賃に掛ける「係数」です。国交省からの資料のイメージによると、日曜日の14時台1.14、15時台1.11、月曜日は、14時台1.17、15時台1.15などと、曜日と時間によって細かく係数を決めるというのです。この係数を決めるためには、実際の走行データと運賃の分析が必要です。取得データによっては、たまたま道路工事でメーター運賃が上がってるデータも入っているかもしれません。晴れか雨かで違うかもしれません。私がパブリックコメントで具申したのは、係数はなくして、距離制でいいではないかという意見です。少しでも安くないと、事前確定運賃を使おうという気にもならないと思うからと、そもそも複雑にする意味がないと思うからです。
 せっかくのタクシー改革を遅らせようとするのは、誰なのでしょう?少なくとも、地方の事業者ではないことは確かです。
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