自動車運転代行業とタクシー代行

街を走っていた代行運転の随伴車両をよく見てみると、後部座席に2人乗っていました。営業中であるという確証はないので、これが違反であるとは言えませんが、こういったことはよくあるのだろうと思います。
代行運転事業者は、公安委員会から自動車運転代行業の認定を受けなければなりません。営業形態は、顧客の車の運転を代行運転し、顧客はその車に乗車します。顧客の車を運転する者は2種免許を持っていなければなりません、また、顧客の車には、随伴自動車が付いていくことになります。随伴自動車には顧客を乗せてはいけないことになっています。
一方、タクシー事業者の行う代行運転は、顧客の車を移送するだけなので、顧客はタクシーに乗車しなければなりません。代行業としての認定を受けていないので、顧客の車に顧客を乗せるのは違反となります。
もうひとつ、一部のタクシー事業者がやっていた形式として、運転手だけを派遣して、顧客の車の運転を代行して顧客を乗せて行くというものがありました。その運転手は、帰りの足がないので、近くのタクシーに迎えに行かせるというものです。随伴するタクシーがあるかないかだけの違いですが、この形式だと顧客の車にも乗せていいのだということです。この違いには、釈然としないものがあります。
タクシー業は国交省の所管ですが、代行運転業は警察と国交省の両方の所管です。公安委員会は、交通の安全を図る観点から、国土交通大臣は利用者の保護を図る観点から、それぞれ必要な報告徴収、立入検査及び指示を行うことができるようになっています。逆に言うと、どちらも責任をもっていないので、野放しの状態といってもいいと思います。
自動車運転の事業というのは、どの分野でもややこしいし、曖昧な点が多いですね。