商工会議所の組織のあり方に一言

商工会議所の会報に、会議所の議員選挙についての説明が書いてありました。議員と言っても、商工会議所の役員的な方々のことです。
議員には、1号議員、2号議員、3号議員と3つのランクがあって、1号議員は会員の中から選任されるようですが、3号になると会頭が有資格者から選任するという中小企業には縁のないものです。
これらの決まりを読んでみると、“なんと封建的な組織なんだろう”と感じます。まるで江戸時代の身分制度のようで、ちょうど“龍馬伝”での上士と下士の関係のように思います。
商工会議所の会費は、資本金や従業員数によって定められており、規模の大きい会社のほうが会費が高くなっています。そして、会費額に応じた選挙権が与えられています。ですから、普通の選挙では税金を多く払っている人も同じ1票ですが、商工会議所では数十倍もの差があります。さらに、3号議員になると、通常の会費以外に、特別会費(48万円)を負担するようになっています。
商工会議所の役員になんてなりたいとも思いませんが、あきらかにお金を払ってでもなりたいと思うレベルの“名誉職”にほかなりません。制度自体が、そのことを裏付けています。
本当は、「地域の会社の発展のためにいろんなアイディアを出して頑張ってみます」みたいな方が役員になれれば、商工会議所ももっと有益な組織になると思います。今の役員が必ずしも悪いと言っているのではなく、やる気のある人がなれない組織というのは衰退するだろうと思います。
大企業と小企業とは、必然的に会議所に求めるニーズが違うと思います。タクシー業界も同じなのですが、大企業のトップしか役員になれない団体では、小企業にとって必要な施策はできないだろうと思います。会員拡大というテーマもあるようですが、下士の意見を聞いてもらえないのに、下士に入れというのは無理ですよね。