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ノーベル賞の源へ

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ノーベル賞の源へ

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「ノーベル賞の源へ」2008年ノーベル物理学賞益川先生と4人の現役教授による講演会が、福岡銀行本店大ホールにてありました。主催は、京都大学理学部であり、高校生を対象にした講演会でした。昔はこんなことはなかったと思いますが、今頃はこうやって優秀な学生を集めるためのイベントを行う事例が増えてきました。
 講演の内容は、以下の通りでした。
1)京大史の中の理学部
 「京大理学部は当時から単位制であった。その上に、必須科目なるものもそんなに厳格に決められていなかった。自由主義な雰囲気が、こういう融通性のある科目制度とよく適合しているように思われた」日本で最初にノーベル賞を受賞した湯川秀樹が京大理学部に入学した当時を回想した文章です。官僚養成大学としての東大の次に作られた京大は、自由な研究を重視してきたのが特徴です。関西では、1年生と呼ばずに1回生と呼ぶようになったのも、学年を重視しない京大から始まったと言われています。
2)身近な地球の脈動から九州を考える(竹村教授)
 ここが一番眠かったところです。
3)金属と水素の不思議な関係(北川教授)
 水素が金属に侵入して、結晶構造や組織を変化させる研究についての話でした。特に、水素が不仲な金属のペアを混ぜて中間の金属を作り出すという点に興味が湧きました。例えば、Fe,Co,Ni,Cuという周期表のFeとCuを水素を利用して混ぜることによって、CoやNiと同じ性質の金属を作ろうというものです。
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4)小林・益川の考えたこと(畑教授)
 2人がノーベル賞を受賞した論文は、「CP対称性の破れの起源と3世代(6種類)のクウォークの予言」というものです。この世の中で一番小さいものが素粒子であり、電子やニュートリノ、光子そしてクウォークなどがあります。電子と陽電子のように反対の素粒子があるように、鏡に写したような対称の素粒子だけが存在するとしていたものを、そうでないものも存在するとしたものです。クウォークの種類も従来3種類だと言われていたものを、6種類あると理論付けたことが認められたのだそうです。高校生にはちょっと難しい話だったかもしれません。
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5)若者を科学に向わせるものは?(益川名誉教授)
 「未知の科学にあこがれること」が大事だと言われていました。「科学とは、人類により多くの自由を準備すること」2つのボタンがあって、どちらか押したら1億円、もう一方を押したら死に至る、という選択は自由とは呼ばず、どちらが1億円かわかってから選択できることが自由である。科学は、そういった選択をできるようにするためにある、なるほどと思いました。
 真の科学者に近づくためには、基礎的な知識を身につけることと、研究の環境が必要であり、京大に来てくださいと勧めていました。

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