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ミニキャブ最大手Addison Lee社

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ミニキャブ最大手Addison Lee社

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(本社入口と車両)

ロンドン2日目。午前中は、ミニキャブ最大手の「Addison Lee社」を訪問しました。所謂ロンドンタクシーである“ブラックキャブ”とは別に、白タクから合法化されたもので、車両台数は、ブラックキャブの倍に膨れ上がっています。これらミニキャブを配車グループとしてまとめて拡大してきた会社のひとつが、Addison Lee社です。ブラックキャブは、難しい地理試験に受かったドライバーの個人タクシーで、流しも着け待ちも可能です。それに対してミニキャブは、流しができないという欠点を、電話等での注文をいかに多く受けるかが勝負になっています。この会社は、独自の配車アプリを持っていて、アプリ、ウェブ、電話の3つを駆使して、主に法人顧客をターゲットにしています。
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(配車アプリ画面)
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(アプリで呼んで来た車両:自家用車と区別がつきません)
 Addison Lee本社では、オペレーション統括と顧客サービス統括が詳細な資料で説明してくれました。ブラックキャブの配車アプリであるHailoというライバル社からのアポにもかかわらず、よく受けてくれたものだと思いました。
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(配車センター:300人ほどスタッフがいるようです)
 この会社は、1975年1両から創業して、今では5,000両にも及びます。買収も重ねて、現在の規模になったようです。経営形態は、車両を個人事業主のドライバーに貸し、会社として顧客を獲得し、ドライバーには売上の6~7割の報酬を払って成り立っています。車のレンタル代や保険は会社が負担し、ドライバーは燃料代のみふたんする、リース制に近い形態です。
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(会議室での説明の様子)
 ミニキャブの優位な点は、一番は運賃が安い点で、距離制のみの運賃なので、ブラックキャブより3割くらい安いようです。この会社では、保有車両数を増やすことで、配車の即時性を重んじていて、99%on timeを誇っています。顧客満足調査でも、ブラックキャブには唯一地理の知識で負けている以外は、運賃、待ち時間、車両の手入れ、予約の確実性、予約し易さなど、他の十数項目以上で優れているという結果になっている、との説明でした。
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(車両の動態画面:空車予定を導入することで、効率が増したと強調していた)
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(配車履歴画面:得意先には優先順位をつけている)
 ドライバーは個人事業主ですが、苦情や事故の対応は全て会社が受けるので、ドライバー教育には力を入れているようです。ドライバーとの契約に際しての重要ポイントは、英語(英国人は2割ほど)、地理知識(ブラックキャブほどは求めない)、接客の3つだそうです。応募者の4分の1は合格で、残りは再教育に回るそうです。ドライバーの年収は、3万ポンドということなので、6百万円くらいです。平均年齢46歳、男性99%というのは、日本とだいぶ様子が違います。
 難しい地理試験のおかげで車両数が平行線をたどるブラックキャブと、安い運賃と対法人営業で伸びているミニキャブとで、将来どういった絵になるのでしょう。私は、ブラックキャブがちょっと厳しくなるかなあと感じました。

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