TOP > 政策論 > 住宅型有料老人ホームの問題点

メディア

住宅型有料老人ホームの問題点

  • LINEで送る
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
住宅型有料老人ホームの問題点
最近、うちの周辺でも「住宅型有料老人ホーム」がかなり増えてきています。数年前までは「住宅型って中途半端」という感じがあり、開設する事業者も少なかったのに、ビジネスモデルが提案されるようになったのか、急増しています。
 有料老人ホームは、介護保険の適用の有無、介護サービスの内容に応じて、「介護付き」「住宅型」「健康型」の3つのタイプに分けられます。「健康型」は、介護が必要になると退去しなければならないので、今でも少数派です。「介護付」は、介護保険上の分類で「特定施設入居者生活介護」の指定を受けて、施設のスタッフが介護サービスの提供をする施設です。ただ、介護付は総量規制を設けている自治体が多く、新規での開設は難しくなっています。
 「住宅型」は、介護が必要になった場合に、訪問介護・訪問看護や通所介護など、外部の介護事業者と別途契約をして介護その他のサービスを受けることができます。
 「住宅型」の欠点としては、介護は外部のサービスを利用するので、施設のような短時間のサービス(例えば車椅子への移乗、トイレの介助など)に対応しにくい面があります。
 最近、新設された「住宅型」に入られる予定の利用者さんに関して、こんなことがありました。その有料老人ホームの方から、「うちの施設に入るなら、こちらの介護サービスに切り替えていただかないと・・・」と言うのです。本来は、外部の介護サービスをそのまま継続してもいい筈なのに、ケアマネからのサービスを全て施設側の事業所に移すことが条件になっているようです。まさに、囲い込みの世界です。
 今の「住宅型」のビジネスモデルとは、まるで「介護付き」のようにしてしまうことなんだと思いました。基本的な介護サービスは、施設側の事業者が行い、介護保険では算定できないような短時間サービスは「管理費」として徴収する。なるほど、よく考えたものだと思います。しかし、どうもビジネスだけが優先されているようないやらしさを感じるのは、介護のことをかじった者だからでしょうか?
  • LINEで送る
  • このエントリーをはてなブックマークに追加