貸切バスの人件費の推移について
昨日に引き続き、貸切バスについて、最近10年間の収入と人件費について考えてみます。
図は、国交省がツアーバス事業のあり方検討会で示した資料からで、平成10年から平成20年までの実車走行キロあたりの収入・原価の推移を示しています。
収入は、平成10年から平成14年まで減少し、それ以来はほぼ横這いです。10年間で約2割の減少となっています。
原価の中では、その他経費は約1割の減少、燃料費が約7割の上昇、そして人件費は約4割減少しています。10年間の燃料費の増加分は、管理費や車両代などの経費削減でやり繰りしつつも、キロ当たり収入の減少に対しては人件費の削減にそのままつながっているという構図になっています。具体的に、人件費は、
平成10年度271.18円/km
平成20年度160.89円/km
となっています。
この数字を見ると、ツアーバスの実態というのは、労働対価の減少そのものに依存していると言っても過言ではないでしょう。
商店街が無くなって大型ショッピングセンターになっていくことも、商店街店主の給料がパート労働に移行することで、商品が安く提供されるとも言えます。
いろんなものが安くなることは、結局は自分自身の首を絞めているように思えてなりません。適正な時間価値がそのまま価格に反映できるような仕組みを考えていかねばならないと感じるこの頃です。