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特区申請事例その3~軽自動車のタクシー認可

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特区申請事例その3~軽自動車のタクシー認可
特区申請事例の3つ目です。富山県の海王交通㈱、㈲小杉タクシー、大門タクシー㈱の合同提案で、「軽自動車のタクシー車両認可」という申請です。現在、軽自動車が認められているのは、介護タクシーと電気自動車だけですが、これを一般タクシーにも条件付で認めて欲しいというものです。
 提案の趣旨は以下の通りです。
“タクシー車両に軽自動車(「以下、軽四タクシーという。」)を使用することで、初期投資、運行コストが現行車両より低く抑えられるため、より安い料金設定が可能となる。
 そこで、軽四タクシーを使用して、射水市内全域(3ブロックに分ける)においてエリア内一律の定額・低料金による、いわゆる「街乗りタクシー」運行を実施したい。
 また、現在射水市で運行している「デマンドタクシー」及び「コミュニティバス」において、同乗者の少ない場合や利用者の少ない路線を軽四タクシーで運行すれば、トータルとして考えることで利用料金を低く設定でき、利用者負担の軽減から利用者増を見込め、タクシー業界及び市の活性化を図ることができる。
 さらに、射水市には重点密集市街地に指定された地区があり、細い路地も多いため、小回りの利く軽四タクシーの方が都合が良いという面もある。
 軽自動車のタクシーへの使用は、電気自動車やいわゆる「介護タクシー」ですでに認められている上、本年度からはタクシー車両の開口部についても規制緩和が実施されている。加えて軽自動車の強度も増してきていることから、①運行エリアを限定する ②高速道路は走らないといった、タクシー業界の自主的な規制をかけた「街乗りタクシー」運行においては、普通車と変わらない安全性の確保は図れるものと考える。”
 上記についての国交省からの1次回答を見てみましょう。
“軽自動車の導入に当たって、貴社がご検討されている運行上の要件を設けることについては、旅客が長距離の移動や高速道路の利用を求めてきた場合、道路運送法第13条の運送引受義務に違反する可能性もあり、これらの運行上の要件を理由として軽自動車を導入することは適当でない。
 一方、「デマンドタクシー」や「コミュニティバス」の運行に軽自動車を使用したいというご提案については、当該市町村が主宰する地域公共交通会議の場において住民又は旅客の代表など地域の関係者による議論を経て、運行の態様、運賃及び料金、使用車両(軽自動車を使用すること)並びに一般乗合旅客自動車運送事業の事業用自動車と一般乗用旅客自動車運送事業の事業用自動車との併用などの事項で協議が調った場合には、軽自動車による運行が可能となっているところであることから、現行制度下で対応することが可能である。”
 地域公共交通会議を経た事業の場合には軽自動車でも運行可能という返事です。しかし、本提案以外に“軽自動車用の運賃認可”と“特措法での枠外増車”を提案していますが、それはどちらもNOであり、結局はできないような回答のようです。
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