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10年後のタクシー事業のあり方を読んで

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10年後のタクシー事業のあり方を読んで
東京交通新聞に「タクシー事業の来し方・行く末(2020年におけるあるべきタクシーをめざして)」という題目での、専修大学太田教授の講演内容が掲載されていました。
 これまでの評価としては、タクシーサービスは同一地域同一運賃規制と需給調整規制が適切であると前提をおいた上で、全国一律に規制緩和したことで混乱が始まったとしています。特措法については、一定の評価をしながら、自主的な減車が合理的ではなく、減らすべき車両と会社を指定していくことが必要だと論じています。
 あるべき姿としては、競争が機能する分野では競争を促進し、そうでない分野は規制を強化すべきということです。具体的には、タクシーは規制を強化し、多様なサービスを提供するハイヤーの徹底的な自由化を唱えています。
 この太田教授のお話は、概ねタクシー事業のことを理解しているとは思いますが、東京・大阪以外のタクシーはハイヤーとの兼業みたいな形式であることを把握していないのだろうと思いました。一見もっともそうな理論ですが、そんな簡単な色分けで論じれるようなものではありません。どうも大学の先生というのは少し的外れな議論をしているような気がします。
 「産業組織論におけるタクシー市場の分析をきちんとやるべきだ。各分野の研究者を集めてタクシー事業研究会をつくるべきだ。」ということには賛成ですが、このことも私は以前から申し上げていることです。タクシー業界にも、もっとレベルの高い研究者の出現が望まれるところです。
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