TOP > 政策論 > 九州電力の講演と電気自動車の効率

メディア

九州電力の講演と電気自動車の効率

  • LINEで送る
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
九州電力の講演と電気自動車の効率
20100917-093018.jpg
昨日は、証券会社のセミナーに行ってきました。メインの講演は、九州電力の会社説明で、電力会社が将来どう進もうとしているのか興味があったのです。
 会場に入ってみると、年齢層の高さに驚きました。私など若い方で、こういった投資セミナーのお客様というのは高齢者なんだと思いました。
 さて、九電の講演では、電子力発電の推進や風力・太陽光発電の開発といった、CO2を排出しない“ゼロ・エミッション”の方向性が主な内容でした。その比率は、現在の34%から、2030年には70%まで上げる計画のようです。電力の発電過程でCO2削減ができるようになれば、家庭や自動車での電化がますます必要になるような気がします。
講演を聞きながらふと不思議に思ったのが、火力発電の電気を使う電気自動車でも、ガソリン車よりエコなのかどうかということです。それは、火力発電とガソリンエンジンの熱効率の差と、電気の送電コストとガソリンの輸送コストの差などを考えなければなりません。
発電効率を考えると、
燃焼効率(化学→熱)×タービンの効率(熱→運動)×発電器効率(運動→電気)
を掛け合わせたものになります。燃焼効率は90%以上、発電器効率も99%ということですが、タービンの効率は可逆熱機関の効率制限(カルノーの効率)をうけ、理論的に40%台が限界ということです。送配電ロス率はここ10年くらい7%を下回っていると報告されていますが、変圧器等も含めて10%くらいでしょう。また、モーター効率を0.9とします。
 結局、電気自動車の場合 0.4×0.9×0.9=0.324
一方、ガソリンエンジンの燃焼効率は、0.2前後と言われていますので、電気を使った方が効率が良さそうです。さらに、ガソリンの輸送コストやスタンドのコストなどを加味することで、もっと大きなコスト差になってくるようです。
 西部ガスの話も聞いてみたいものですが、オール電化というのが将来の姿なのでしょうか?
  • LINEで送る
  • このエントリーをはてなブックマークに追加