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社会保険料の変遷とタクシーの経営

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社会保険料の変遷とタクシーの経営
3月分の給与から健康保険の保険料率が、8.24%から9.4%に上がりました。
 健康保険は、国の社会保険庁の管轄でしたが、平成20年10月からは「協会けんぽ」に移行しています。それまでは全国一律でしたが、各県毎の収支状況で保険料も変わることになりました。
 健康保険料の推移を見てみると、
昭和44年 7.0%
昭和48年 7.2%
昭和49年 7.6%
昭和51年 7.8%
昭和52年 8.0%
昭和56年 8.4% 以後8.2から8.5%
平成15年に総報酬制に移行して8.2%に下がりましたが、結局は今年から大幅に上がることになります。総報酬制以前の数字と比べる時は、10%くらいと思っていい数字です。
 今は出生率が1.3人とかいう低い水準なので、社会保険の仕組みで考えると、「騎馬戦から肩車」的な支え方になっていることから、もっと保険料が上がってもおかしくありません。健康保険の場合は、国庫補助率が変動しているのと、自己負担の3割への変更等で、保険料を抑えてきています。
 一方、厚生年金保険率は大幅に上昇しています。
昭和29年 3%
昭和35年 3.5%
昭和44年 5.5% 以下順次上昇して
昭和60年 12.4%
平成2年 14.3%
平成8年 17.35%
平成15年 13.58%(総報酬制)
平成29年 18.3%(予定)
 タクシー事業は十数年前の売上水準に戻ってしまいましたが、社会保険料だけは確実に倍増しています。当社の規模でも、会社負担分だけで月額100万円以上は増加しています。タクシーの歩合制給与では、売上が増えていないということは給与も増えていなくて、社会保険料だけが増えているという構図になります。
 乗務員からは「昔は待遇が良かったのに・・」と言われますが、月額100万円のコストアップはどうにもならないものがあります。
 やはり何かビジネスモデルを考えていかないと、タクシーの将来はないでしょう。そして、出生率を上げる政策も必要です。
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