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和歌山の燃油サーチャージ

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和歌山の燃油サーチャージ
和歌山市のタクシー会社が、燃料サーチャージ制度の導入を求めていたことで、国土交通省が「苦肉の策」としての制度を設けました。それは、運賃改定を行った地域に限って、燃料費の上昇を理由とする値上げ申請を7割以上の会社が行った場合に1ヶ月程度で認可するというものです。
 そこで、早速、和歌山市周辺のタクシー会社が申請していた値上げ申請に対し、近畿運輸局は4日、改定値を公示しました。18日に新運賃を認可、25日から導入される予定です。初乗り(1・8キロ)運賃を30円値上げする模様です。
 ただ、ここ数ヶ月の景気は最悪で他地域では値上げ分が全く売上に反映されず、客離れに結びついている状態です。果たして、和歌山で30円の効果があるかは大変疑問です。タクシーの場合は、値段を変えるたびにメーター器の変更コストがかかるので、これも大きな負担になります。12月にはLPガスも大きく下がる予定ですが、燃料が下がったからと言って簡単には下げられないことも、タクシーの場合には難しい点です。
 タクシーの燃料サーチャージとも言えること制度は、あくまでも正規な運賃値上げとセットという点も、おかしな制度です。値上げ申請をしていない地域が燃料費の高騰で申請しようとしても、普通の値上げ申請になって6ヶ月もかかってしまい、機を逸してしまうことは明白です。
この苦肉の策の制度は、この和歌山の事例が最初で最後の事例になるのではないかと、私は思っています。
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