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公定幅運賃が無力化?

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公定幅運賃が無力化?
改正特措法においては、公定幅運賃への強制力があるとされていましたが、大阪高裁でもこの法律の無力化が証明されてしまいました。国会の質疑でも、「実質的に強制力がある」と回答されたものが、実際に法廷の場でひっくり返ったということになります。そう考えると、取り消し処分までに及ぶ制度自体に無理があったのだろうと思います。国はこの結果を踏まえて、制度の抜本的な改正に踏み込むべきではないでしょうか。(以下、記事より)
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国が定めたタクシー運賃の幅(公定幅運賃)より安い運賃で営業しているエムケイ(京都市)などが国に対し、運賃変更命令などの行政処分を出さないよう求めた仮処分申請の即時抗告審で、大阪高裁は7日、エムケイ側の申請を認めた一審・大阪地裁決定を支持、国側の抗告を棄却した。
  中村裁判長は「(行政処分の結果)一旦事業が継続できなくなると、顧客との関係など事業回復は著しく困難になり、処分の取り消し訴訟や金銭賠償などの事後的な手段では十分に回復できない」と指摘。「償うことができない損害を避ける緊急の必要がある」とした。
 公定幅運賃制度自体については、一審と同様に「憲法違反には当たらない」としたうえで「公定幅運賃の設定に当たり、地方運輸局長には合理的な裁量が認められるが、事業者の営業の自由を不当に害しないよう一定の制約を受ける」と判断。「従前の制度下では適法だった事業が禁止されれば不利益の程度は重大。合理的な裁量を逸脱している」と結論づけた。
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