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生活保護者の浪費監視条例について

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生活保護者の浪費監視条例について
兵庫県小野市が、生活保護や児童扶養手当の受給者がパチンコやギャンブルで浪費しているのを見つけた市民に通報を義務づける条例案を、市議会に提案したというニュース。
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 名称は「市福祉給付制度適正化条例案」。受給者が給付されたお金を「遊技、遊興、賭博などに費消」することを防ぎ、「福祉制度の適正な運用と受給者の自立した生活支援に資すること」を目的に掲げる。
 パチンコや競輪、競馬などによる浪費により「生活の維持、安定向上に支障が生じる状況を常習的に引き起こしている」と認められたり、不正受給の疑いがあったりする場合、市へ情報提供することを「市民の責務」と明記した。保護が必要な人を見つけた場合も、通報を義務づけている。受給者に対しては勤労と節約を求めている。
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 生活保護受給者の浪費を監視するというのもわからなくはないのですが、私はちょっと方向性が間違っているように思います。個人情報が保護されないといけない状況下で、生活保護を受けている人を知ること自体どうなのか。さらに市民に監視してもらおうというのは行き過ぎではないかとも思います。
 以前も書きましたが、生活保護費で一番問題なのが医療費です。ほぼ半分を占めている医療費を適正化することで、相当な削減ができると思います。全くの無料であるから、医療機関も削減に取り組まないし、患者も不必要な通院までしてしまいます。この仕組みを変えることが先決ではないでしょうか?
 また、例えば眼鏡を新規に作る場合、1万円程度で作れる市場があるのに、上限が3万円なら3万円の眼鏡を作ってしまう。自転車でも、1万円あれば十分なのに、保護費の方が高いものを買うことができる、などなど。今のデフレ時代、一般の人は安いものを求めているのに、保護費の制度が昔のままなら、削減できる筈がありません。一度、民間のチェックを受けて、制度自体を見直す時期ではないかと思います。
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