救急車じゃないとダメですか?というだけじゃダメです。
どの自治体も、救急車への安易な依頼が増えてきて、その対応に苦慮しています。救急車への依頼件数が右肩上がりで伸びていて、限りある救急車の台数では、本当に救急を要する人に回らない可能性が出てくるからです。北九州市では、次のようなチラシを作って広報しています。
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「 救急車じゃないとだめですか?救急車が火の車です。」
八幡西区では、5台の救急車で対応をしています。昨年(平成18年)は、八幡西区で10,990件救急車が出動しました。救急車で病院に運ばれた約4割の人が「軽症」と診断されています。これまでの推移で救急出動が増えていきますと、1分1秒を争う重症者への対応が遅れるという心配があります。
皆様の大切な救急車です。マナーを守った正しい利用をお願いします。
緊急性があって搬送する手段がない場合は、迷わず119番に通報してください。
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当社には、ストレッチャー(寝たまま乗車できるもの)車が3台あります。当社のような事業者を患者搬送事業者(あるいは民間救急)といい、消防の認定も受けています。しかし、どうしても有料になるため無料に比べると高くなります。ストレッチャーを扱うには、どうしても前後に支える必要があり、2名のスタッフがいきます。2名で1時間となると最低でも6千円くらいは必要です。当社で利益にならないくらの金額で提供しても、「高い」と思われ敬遠されることもあります。
ところで、救急車は無料ですが、どれくらいのコストがかかると思いますか?スタッフも当社なんかよりずっと高給で、24時間体制の配車室と、日常の訓練の時間、忙しいといっても待っている時間、などがかかってきます。全てのコストを出動回数で割ると6万円かかると言われています。医療保険並みの3割負担でも2万円ほどかかります。
私は、救急車は無料でも、「これだけ費用がかかりましたよ」と架空請求書を発行するべきかと思います。そしたら、当社のサービスでもそう高くは感じないでしょう。かかる費用は、正直に市民に知らせて理解を求めていく必要があるのではないでしょうか?
消防行政も、もっと市民が理解できるように、工夫をしていただきたいものです。私だったら、そんな問題、簡単に解決するのですが・・