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B1グランプリのタクシー乗り場考

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B1グランプリのタクシー乗り場考

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(リバーサイド側タクシー乗り場)

B1グランプリin北九州は、すばらしい運営だと思いますが、タクシー乗り場に関してはゼロ点に近いと思いました。
 今回の会場は、北九州市役所前のリバーサイドA,B会場と小倉駅北口のシーサイドA,B会場でした。交通機関は、
1)西港臨時駐車場⇔小倉駅北口(無料)
2)西港臨時駐車場⇔松本清張記念館前(無料)
3)小倉駅⇔松本清張記念館前(100円)
4)シーサイド⇔リバーサイド:タクシー定額運行
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(駐車場行きシャトルバス)
 1)と2)は、自家用車駐車場間の無料シャトルバスなので、会場間の輸送ではありません。3)は小倉駅からリバーサイド会場までのバスです。ですから、ほとんどの人が会場間を徒歩で移動することが前提での設計です。この考え方自体は間違いではなく、商店街の回遊や北九州のアピールという面で良かったと思います。
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(市役所前は歩行者専用になったが、皆さん横断歩道を渡っている)
 歩くのが大変な人はタクシーで、と考えてもいいと思いますが、タクシー乗り場の配置は、「乗らないで下さい」と言わんばかりの位置にあります。リバーサイドでは、小倉北区役所の乗り場を利用していますが、リバーサイドから遠く離れる方向に道路を渡らなければなりません。シーサイドのタクシー乗り場も、人が移動する経路から目に入る位置にはありません。タクシー乗り場を探すほうが骨が折れそうです。
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(シーサイド側タクシー乗り場:タクシーは2台のみ、整理員も暇そう)
 タクシーの定額運賃は、この経路で890円かかるところを850円で設定しています。しかし、北九州市役所の太陽の橋に乗り場を作ったら、そこから小倉駅北口信号まではワンメーターの距離(650円)です。
 北九州市役所前の道路を車両通行止めにしていましたので、太陽の橋のところには十分なスペースがあり、タクシー乗り場を作るのは可能です。「車両通行止めの中にはタクシー乗り場は作れない」というのは、警察の常識かもしれませんが、こういう場面では有効なスペースだと思います。
 もし、リバーサイドは太陽の橋のところに、シーサイドは小倉駅北口の信号のあたりに、タクシー乗り場を作って、定額運賃を600円にしていたら、かなり多くの利用者がいたと思います。3人で乗ったら、ひとりがイベントチケット2枚で乗車できます。
 タクシーの特性というのは、目の前にないと意味がない乗り物です。イベントでタクシー乗り場を作る場合には、とにかく「目の前」に作ることが鉄則です。そのことを行政が全くわかっていない。今回の乗り場は、恐らくタクシー協会が望んだものではなく、イベント主催者側が“追いやった”ものだと想像します。
 大半の人が歩いて移動するのはいいと思いますが、タクシーにもお金を落としてもらい、北九州の企業が活性化することを考えるのも行政の役割だと思います。人の流れや交通の特性をもっと理解して欲しいものです。

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