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サンデープロジェクト(2007年2月25日)より

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サンデープロジェクト(2007年2月25日)より
特集「公共交通が危ない」~失われる“地域の足”~
以下のような内容の特集がありました。
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今、国は全国で「高速道路」や「地方空港」そして「整備新幹線」建設など巨大インフラ事業を推し進めている。しかし、その一方で市民の足である「ローカル線」や「路線バス」の廃止・撤退が、全国で相次いで起きている。
 長崎県は去年3月、島原半島の県営バス路線を1年後にすべて廃止すると表明した。しかし、ここには公共交通機関が「バス」だけという地域も多くあり、車を持たない高齢者や学生たちは、通院・通学や、日々の買い物すらも困難になる事態に追い込まれようとしていた。その一方、この長崎では「新幹線」の建設を国や県、そして地元政治家らによって推し進められていた。しかし、この長崎新幹線計画は、地元からもその必要性に疑問の声があがっている。そして市民の多くは「新幹線よりもバスの方が重要だ」という。何故、巨大インフラ建設は進められ、地域の足が切り捨てられていくのか。実は、その背景には、国が推し進めるある政策があった。
 さらに番組では、地域の足が失われていく中、それを支えてきた人たちが、去年行なわれた「法改正」によって、その活動が追い込まれた実態を取材。なぜ、善意の活動が事実上、制限される「法改正」がなされたのか?そこには巨大官庁がもつ根本的な問題が潜んでいたのだ。
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途中までは、「そうだ、そうだ!」と思って見ていました。巨額な投資で作られる新幹線、その一方でわずかな市町村レベルの予算不足で削られる「地域の足」。新幹線は国の予算、バスは地方自治体の予算ということで、それぞれがどう考えるか、ということになるのだろうが、どこか間違っている。新幹線の駅も「まずは誰でもそこに辿り着ける」ことが前提の筈が、交通弱者のことまで考えないからおかしくなる。例えば9割の人が便利になればという前提だろう。私は、「地域の足の確保」は最低限の保障であると思っている。「家から外に出れない人にとっては、新幹線に何の意味も持たないからである。」テレビでも提言として述べていたが、「道路特定財源」はこの「地域の足」の確保に使うべきものだと思っている。
 ただ、テレビの最後の方でボランティア移送が登録制になったことが触れられ、この制限が「官のタクシー協会等への天下り」が原因と述べていたが、これは大きな間違いである。これは、本当は尼崎の鉄道事故などが大きなきっかけである。ビルの耐震問題なども多少は影響している。要するに、安全を脅かす事故が起きた場合に、「法や規制の強化」という方向しかないからである。尼崎の事故以来、鉄道、バス、タクシーなどは、安全に対する取組みの規制がかなり強化されてきた。その影響は、当然ボランティア移送にも及んできて、多少なりとも報酬をもらって移送をすることに対し「安全上野放しにはできない」こととなったのである。安全を選ぶのか、自由を選ぶのかは国民の選択である。ただ、このテレビはその選択肢を示していないところに大きな誤りがある。そう思って見ていました。
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