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福岡の最高乗務距離が違法という判決(修正版)

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福岡の最高乗務距離が違法という判決(修正版)
タクシー運転手の1日の乗務距離を九州運輸局が上限270キロと公示したのは不当だとして、福岡エムケイが国に公示の取り消しなどを求めた訴訟で、福岡地裁は14日、「公示は裁量権を逸脱して違法」との判断を示し、270キロを超えても運転できるとする判決を言い渡しました。2009年に公示したものですから、15年近く違法な公示の中で福岡交通圏は営業していたことになります。今まで、運輸局が何の根拠も示さずに算定していたものが、「裁量権を逸脱している」と判断されたことは、国や運輸局の今後の算定に大きく影響するものと思われます。
 最高乗務距離を決めるとすると、どれくらいが適当なのか、少し試算してみました。バスでは連続運転時間が4時間が限度と決められていて、4時間の中に30分の休憩を取る必要があります。例えば、1時間20分毎に10分間の休憩を取るのが最大限の運転時間となります。
 タクシーは、1日の拘束時間が日勤勤務で16時間と決められているだけで、運転時間の制限はありません。仮に、バスよりも少し多くの休憩時間として、1時間内に10分の休憩時間を取るのが最大とすると、16時間の拘束時間で160分の休憩で、13.3時間の運転が最高となります。この時間走れる距離を、平均速度25キロとして考えると、
 13.3時間×平均走行速度25km/h=332km
というレベルくらいが理に合っています。270キロがどういう基準で算定されたのかわかりませんが、運転者の改善基準のと整合性を考える時に、少し小さすぎる数字だと思っていました。
 タクシーの距離制運賃は、350円/kmくらいなので、実車率40%での売上を計算すると、
 270×0.4×350=37,800円
となり、これが日勤勤務の上限の売上となると、厳しいかもしれません。
 タクシーに関する運賃や公示関係では、「どうしてこう決められたのだろう」ということが沢山あるのに、誰もわからないという不思議なことがよくあります。本当は、一度ゼロベースから考えて欲しいものです。
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