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福岡市のタクシー運賃事情

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福岡市のタクシー運賃事情
福岡市では、小型、中型タクシーの運賃問題で揺れています。いろんな思惑が交差する中で、訳もわからず振り回されているタクシーが被害者なのかもしれません。
  経過を整理してみます。
1)平成19年11月福岡市交通圏のタクシーが運賃改定を行いました。この時、中型と小型運賃を分けずに「普通車」として合わせる選択ができるようになりましたが、何故か福岡はそれを選択しませんでした。
2)その代わり、中型車の下限運賃と小型車の上限運賃とを同じにすることで、中型車でも小型車に合わせることをできるようにしました。
3)そもそも、普通車が選択できるようになったのは、若干の車両長さの違いによって小型と中型を分ける意味がなくなったからです。車種の違いによって、見た目では変わらなくても長さの関係で中型車になってしまうなどの不都合もありました。特に個人タクシーは、個人の好みで車種が多様化するのですが、運賃は小型車に合わせたいという希望がありました。
4)一方、法人側の一部の方々は、中型車で競争するようになったら、コストが上がってしまうという懸念を持っていたから、普通車とするには抵抗があったのかもしれません。
5)北九州交通圏では、普通車を選択したのですが、私は正しい選択だったと思います。
6)昨年の10月から、安売り競争に歯止めをかけようということで、自動認可運賃幅が10%から縮められました。その結果、福岡市では小型車の上限が550円なのに対し、中型車の下限が570円と差が出るようになってしまいました。ただ、以前から550円で営業していた中型車はそのままでもいい筈でした。
7)MKタクシーの500円運賃の認可更新において、九州運輸局がこれを却下し、中型車の下限である570円にするように指導しました。
8)福岡市の他の中型車(主に個人タクシー数百台)が550円で許されているのに、MKだけが570円というのは、法廷闘争になっても通用するのか、という恐れが出てきました。
9)九州運輸局は、下限割れ運賃となった(MK以外の)中型車に対し、毎月の原価計算報告を求める通知を出し、圧力をかけるようにしました、
10)福岡市の法人タクシーは、(台数が少ないので)止むを得ず中型車の20円値上げを決断しました。
11)個人タクシーは、簡単には納得がいきません。メーターの変更だけでも、数万円のコストもかかるし、小型車の乗り場に並べないのは死活問題になるからです。
 以上、MK問題がある関係で、運輸局、法人、個人の思惑が絡む複雑な状況です。
私だったら、「普通車」にしたら全て片付く問題ではないかと思うのですが、世の中って「融通の利かない面々」がいるのですよね。とても不思議です。
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