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自然エネルギーの可能性と限界~その1

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自然エネルギーの可能性と限界~その1
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「自然エネルギーの可能性と限界~風力・太陽光発電の実力と現実解」という本を買いました。今、原発の安全性が揺らいでいる中で、我々国民は何を選択したらいいのか、何の知識もなしにいい加減なことは言えないからです。ただ「反対」というだけで、その先の答えが見出せるのか、よく考える必要があると思います。
 この本の中から、「その1」では風力発電、その次に太陽光発電について説明したいと思います。
 一次エネルギーの構成としては以下のとおりです(2008年度)。
・石油41.9%・石炭22.8%、天然ガス18.6%、原子力10.4%、水力3.1%、自然エネルギー0.2%。
 8割以上化石燃料に頼っている日本は、資源の無い国としては、何とかそこから脱しなければなりません。風力や太陽光などの自然エネルギーはどうかというと、わずか0.2%であり、あてにできるようなレベルではありません。
 まずは、風力発電。
風力エネルギー=1/2・流体の密度・受風面積・風速の3乗
 この数式を見て、空気密度は水の770分の1なので、水力発電に比べて相当効率が悪いことがわかります。観覧車のような大きな風車を作って、やっとある程度の電力になる程度です。そして、「風まかせ」なので、風車が回るときは限られてきます。
 象徴的なのが、下記の裁判事例です。
――
茨城県つくば市が小中学校に設置した小型の風力発電機が計画通りに発電しなかったとして、同市が計画を策定した早稲田大と風車を製造した大阪市のメーカーに約3億円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決が2010年1月20日、東京高裁であった。小林克巳裁判長は「市側の過失が大きい」として、早大に約2億円の支払いを命じた1審東京地裁判決を変更、賠償額を約8960万円に減額した。つくば市側は上告の方針。
――
 この事例は、十分な風力の調査もしないままに、風力発電機を設置した結果、「回らない風力発電機」として有名になったものです。風はどこでも吹く訳ではなく、設置にあたっては十分な調査をしないと成り立たないことがよくわかります。
 以上、風力は将来のエースにはなり得ないということがわかります。
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