タクシーの本紹介その12「タクシーに未来はあるか」
戸崎 肇著「タクシーに未来はあるか」
この本は、2008年1月にあとがきが書かれていますが、ここ数年のタクシー規制緩和の問題を掘り起こしながら、タクシー業界をめぐる変化の激しい流れを見極めようと発刊が伸びてしまったようです。それくらい、ここ数年の流れは非常に速いものがあるということでしょう。
さて、戸崎肇さんと言えば、大学卒業後日本航空に入社しますが、この間に大学で博士号を取得して、現在は明治大学の教授です。タクシーの規制緩和にはどちらかというと反対の立場です。
「タクシーに未来はあるか」その答えは、未来はないとはいえない、ということでしょうか。
「タクシーは、高齢化社会や環境問題への対策という意味で、極めて重要な貢献を果し得る公共交通である。その上で、その健全なあり方について早急に見直し、その問題点について早急に対応していく必要がある。単に公正な市場環境を整えるだけではなく、地域振興政策、環境問題への対応といった観点から積極的に公的支援を行っていくことが求められる。」
私も同じ考えですが、要するに業界の自助努力だけでは厳しく、公的な支援に対する市民の理解を求めていくことで「未来がある」のだと思います。
また、「タクシー業界が持続的な発展を遂げていくためには、若年層の活気・斬新さは不可欠のものである。」と言っています。高齢ドライバーに頼った業界では、将来はないと言っている。これも、その通りで、若年層が入れるしくみを作っていかねばなりません。