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事前確定運賃実験の裏話

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事前確定運賃実験の裏話
8月7日より、東京において、“ライドシェア対策第2弾”である「事前確定運賃」の実証実験が始まりました。
 この実験に参加する会社は、配車アプリを運用できることが条件になります。結局4グループ4,648両、と言っても、その内の9割は日本交通の全国タクシー配車アプリなので、実質的には日本交通の実験と言っても過言ではありません。
 事前確定運賃に関しては、弊社として、昨年、「適用」の書き換えで、あらかじめ距離で算出した運賃を採用できるように要望を出していました。それを却下して、このような実験に踏み切ったことには訳があります。地方では、距離だけで算出した運賃でも容認する雰囲気がありますが、東京では距離だけでは運賃が下がってしまうので、以前から抵抗がありました。そこで、「実際のメーターとの誤差が2%以内」として、東京の事業者向けに実験をすることになったのです。通常の実験は、利用者のためなのですが、今回はあきらかに事業者のための実験です。これで事業者を納得させることができれば、全国に適用できるだろうと考えたのでしょう。
 もうこの時代、地図上で計った距離を元に距離制で算出した運賃でもいいではないか、と私は思います。「メーターが最後に上がった」とか「遠回りされた」などという苦情にうんざりな運転手さんも多いのです。少々運賃が下がっても、最初から運賃が決まっていた方が、運転手さんも気が楽だと思います。
 業界内のいろんなしがらみのために実験をするのではなく、事前確定運賃くらいは早々に許可していくべきではないかと思います。
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