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新経済連盟のライドシェアに対して

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新経済連盟のライドシェアに対して
業界紙でも取り上げられていましたが、新経済連盟が「ライドシェア実現に向けて」という資料をホームページに掲載しています。73ページにもなる詳細な資料です。
 私は、基本的にはイノベーションが好きなので、ライドシェアもタクシーにも応用できたらと思っています。しかし、この資料には反論したいことが沢山あります。
1. 消費者利便性の向上
 タクシーは競争原理が働かないと指摘していますが、これは明らかに今の制度が悪いからです。これこそ、可及的速やかに制度を変えることによって、素晴らしいタクシーが生まれます。(詳細は省略します)
2. タクシー業界のライドシェア対策
 「ライドシェア対策と関係なく実現されるべき」と書かれていますが、これは私も同感です。すでに10年遅いような項目ばかりで、それすらできないのはやはり国の怠慢です。
3. 移動オプションの拡充
 タクシーの中に、移動オプションを作っていくことが、私の「大胆な提案」に入っています。
4. 働き方改革
 これは、ライドシェアと関係なく、政府も踏み込めていない領域であり、ライドシェアで実現しようとするのはおかしな話です。柔軟な働き方は、タクシーでも実現していくべき政策です。
5. スマートシティの実現
 これは、タクシーを含めた公共交通の再編で実現できるものです。
6. 波及的な経済効果
 タクシーの規制緩和をするだけで、ライドシェアに相当する経済効果はある筈です。
7. タクシーに生じる需給ミスマッチの解消
 このことをタクシーで速やかに実施できるようにすることが、緊急の課題です。
8. 二種免許不要論
 二種免許については、私も以前から不要論を唱えていますので、これには反論できません。自家用有償運送や病院等の自家送迎、幼稚園バスなど、二種免許を不要とする運送をここまで普及させた国からは言い訳ができないでしょう。
9. 運行管理
 「ライドシェアは好きな時に働くので過重労働がない」ということですが、それならタクシーも「請負」制度にしてしまって、好きな時に働いてもらえばいいですね。たぶん、その方が過重労働になると思いますが。点呼の問題は、個人タクシーに許している以上、法人にももっと緩和すべきなのだろうと思います。
10.タクシー運転手がライドシェアのドライバーになる
 ライドシェアになれば高収入になるということに根拠はない。タクシーとライドシェアの違いは、タクシー事業からコストのかかることを取り除いただけなので、身軽になれたらタクシーでも十分高収入になる要素はあるのです。むしろ、そのことを議論していくべきです。
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