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トラックの将来ビジョン報告書を読んで

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トラックの将来ビジョン報告書を読んで
「トラック産業の将来ビジョン検討会」が2010年から始まり、その年の7月に中間報告がまとめられています。その後は、「最低車両台数・適正運賃収受ワーキング・グループ」が立ち上げられ、最近になってとりまとめの方向性が作られています。
 トラック産業も、運賃競争が激しく厳しいと聞いていましたが、これらの資料を見る限りでは、5両以下の小規模事業者が増えているとは言っても、全体的にはタクシーほど悪くなっていないようです。それは、3PL型、ニュービジネス型、共同輸配送型、荷主集約型など事業の工夫をしてきた結果だと言えます。需要の創出という面でも、消費者ニーズや荷主ニーズに対応した改革を行ってきたからです。
 ワーキンググループの方向性では、当初出席委員からは5両以下の事業者が悪いというニュアンスで検討されましたが、データ的にはそういった数字にはならなかったようです。適正運賃についても、一定のラインを設けることについては消極的なようです。
 ビジョン検討会の結論はともかく、トラックの実車率は70%にもなるのですね。しかも、ここ10年で少しずつ上昇しています。それだけ帰りの便を有効に使っているということです。タクシーもこれだけの実車率にすることができたら、それだけ運賃も下げることができるということです。タクシー業界もこういった異業種の流れを勉強すべきだと思います。しかし、タクシー業界というのは学んでいくということがきらいな業界のようです。
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