あるタクシー会社の清算

大牟田西鉄タクシー㈱（1967年設立、資本金3,000万円）が、今月中に会社清算すると、新聞で報じられていました。
　所有台数は、タクシー46台で、単独の会社としても県南の地区では比較的大きな会社と言えます。年間の売上3億円というレベルも、他と比較して低いレベルではありません。西鉄ブランドという優位な立場で営業してきた会社が何故清算に向かったのでしょう？
　確かに、西鉄グループとして、不採算事業の見直しが急速に進められているようです。北九州地区でも、北九西鉄タクシーが黒崎営業所を廃止して、集約を行ったばかりです。西鉄のタクシー会社は、他に福岡西鉄、東福岡西鉄、久留米西鉄、柳川西鉄という会社があります。これらをどこまで見直しするのか注目されるところです。
　問題は、このレベルの会社で何故債務超過に陥るほど厳しいかという点です。それは、「それが実態だから」というのが正直なところです。正常な会社で、資金的な余力があるのであれば、「清算した方がいい」というタクシー会社がほとんどではないでしょうか？それくらい無理をして経営しているのが今の実態であり、労働条件にも無理を強いていることは否定できないでしょう。結局のところ、いろんな事情で「無理を強いることができない」大手の会社が、クールに清算に向かうことになるような図式です。
　会社を継続して雇用の確保を図るのか、労使が無理な妥協をせずに清算するのか、微妙な攻防がまだ続くのかもしれません。