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岩手のタクシー会社の使命感

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岩手のタクシー会社の使命感
毎日新聞に、岩手のタクシー会社が自ら被災しながらも、懸命に移動手段を絶やすまいと頑張っている様子が書かれていました。この地域の足としての使命感は、見習うべきものだと感動しました。雪が降ったら休むというような運転手さんがいたら、聞かせてあげたいものです。以下、記事から引用します。
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教科書で見た空襲の焼け野原が頭に浮かぶ。津波後に大火も起きた岩手県山田町。警察や消防は「原因や焼失面積は調査中」と言い、焼けた建物が多数残る。まだ焦げ臭く、くしゃみが止まらない。焼け跡を回ろうと電話帳でタクシーを探し最後の6社目で電話が通じて、山崎タクシー社長、山崎淳一さん(45)の携帯電話番号を教えられた。
 こぢんまりした家族経営の会社だった。母と自宅と社屋とタクシー2台を奪われ、事務の女子社員や運転手だった義兄は行方不明。運転手は7人、タクシーは6台に減り途方に暮れた。震災数日後、常連客に「まだ動かないの?」と声を掛けられ、はっとした。タクシーは、生き延びた住民に欠かせない移動手段だ。「命からがら助かった。涙は枯れた。やるしかない」
 6台ともガス車で幸いガスは無事だった。義兄宅を臨時社屋に、配車は携帯で受け付け3月17日に営業再開。病院通いのお年寄りや酒場帰りの漁師といった得意客は、避難所を巡回する医師や私のような取材者らに変わった。目印の建物が消えても、長年培った土地勘で道を誤ることはない。
 社屋の焼け跡で晴天下の打ち合わせに6台が集まった。山崎さんの掛け声が送り出す。「一歩でも前に進みましょう」。運転手の一人は南隣の大槌町の避難所から通勤している。私も前に進もう。
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