売上の打ち込み

タクシーの乗務員さんは、他社に勤めていた人が多く、面接の際に他社の事情や不満を聞くことがよくあります。お陰で、他社がどのような管理をしているのか、ある程度想像することができるようになります。
　先日の面接では、「売上の打ち込み」ということを聞きました。その会社では、前年の売り上げ実績に対して、さらに高い目標を管理職に厳しく課すのだそうです。例えば、昨年が１日１車２万円とすると、２万３千円くらいの目標を与えるのだそうです。そして、社長から毎日でも管理職に電話があり、目標が達成できているかの確認があるのだそうです。当社に面接に来た乗務員さんは、その管理職をかわいそうに思い、自腹で売上を上乗せする「打ち込み」をするのだそうです。または、乗務員本人の給料がある線から急に下がるのを防ぐために、打ち込みすることも多々あるのだそうです。ですから、会社が発表している売上は、本当の売上よりもかなり高いのだそうです。売上の減少に対して、従業員が自腹で売上を上げるなんて、他の業界では考えられないことです。
　当社はそんなノルマは課してないのですが、考えてみると会社というのはそれくらい厳しくないといけないのかもしれないと、反省するところもあります。ただ、私はそういったことは好きではなく、実質的に売上向上につながる取組みをしていくことを望んでいます。無理な管理というのは、結局は続かないと思うからです。
　こういう甘い社長ですが、何も努力しないことについては、もっと厳しく接する必要があるのでしょうね。ここで働いている、多くの社員のためにも。