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ぶっこみと累進歩合制とは?

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ぶっこみと累進歩合制とは?
以前、エントツの話をしたましたが、逆に架空の売上を作る場合もあり、それを業界用語で「ぶっ込み」と言ったりします。それは、累進歩合制度といって、これまたタクシー業界ではよく採用されている給与制度に起因しています。例えば、月の売上が38万円未満までは給与が売上の40%であり、38万円以上になると45%に跳ね上がるような不連続な歩合制度です。タクシーは、本人がどれだけ意識して営業するかで大きく売上が変わってくるので、ひとつの目標を持たせるために導入されています。ところが、ちょっと考えると、例えば38万円に少し届かなかった人は、これだけの歩合差があると自腹を切って売上を上げた方が得になることがわかるのです。
 すぐに計算してみたくなるのが理系の悪い癖で、ちょっとお時間を下さい。上記の例では、38万に満たない人でいくらまでの人が手出しをした方がいいか計算してみましょう。38万未満の歩合がa%,38万以上がb%,本人がぶっ込む金額を C円とすると
   (38-C)*a/100<38*b/100-C
となるCを解けばよい。答えは、C<38*(b-a)/(100-a)
a=40,b=45とすると、C<31,666円となる。要は、3万円くらいまで、すなわち35万円くらいの売上なら手出ししても38万円にした方が得になる。運転手さんの中には、あまり考えない人もいれば、細かく計算して有利な道を選択する人もいます。以前は当社もこういった累進歩合であったが、余程教えてあげようかと思ったこともあります。
 皆が細かく計算して上記の計算とおりして実行すると、結局は348,334円から380,000円までは40%から45%までほぼ直線的に変化していくことになります。5%の段差をつけることは、実はあまり意味のないことになるのです。
 当社は、固定費と変動費を加味して逆算し、歩合が売上に応じてほぼ直線的に変化するように設定しています。ぶっ込む意味がないので、そういう方はいないと思います・・・
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