ゲーム理論　その３

ゲーム理論の続きをしましょう。｢その２｣では、2社が両方とも値下げに踏み切ることになり、価格競争に陥ってしまうと述べました。そうならないためには、相手が裏切らないような対策を立てる必要があります。家電量販店でおなじみのうまい｢手｣があります。例えば次のように広告するのです｢当店価格より1円でも安い店があれば、当店もその価格にします。｣こう宣伝している店をA店としましょう。ライバル店のB店は値下げをしても、A店にお客様が行ってしまいます。A店は値下げをしなくても、黙っていても安いと思ってお客様がきてくれます。安くするのは、B店の値段を言ってきたお客様だけにしたらいいのです。一方、B店は値下げをした分利益も減少するので、結局ばからしくなってしまいます。B店には、｢裏切って｣値下げをする効果がなくなってしまうのです。
　一見熾烈な値段競争のように思える宣伝ですが、実は過度な価格競争を避けるための方策だったこと、皆さんご存知でしたか？