タクシーの本紹介その11「タクシー運転手は大学院生」
表題がおもしろそうだったので買ってみました。
「タクシー運転手は大学院生 in京都」
30過ぎに京都の立命館大学に入学し、そのまま大学院に入学した著者が、祖父のご逝去により経済的な自立を求められて半年ほどタクシーの運転手を経験した際の手記のようなものです。
タクシー運転手になるための2種免許は、普通免許から3年以上の経験が必要なので、普通は大学院生がタクシーに乗ることは非常に稀です。それが、この本の売りなのだと思います。
内容は、タクシー会社に入社してからの、約2週間の研修の模様や、タクシーの営業日誌的な話になっています。大学院生らしく、それぞれの根拠となる法令の内容や会社の賃金制度、勤務表なども細かく説明されています。
また、最後には次の考察が述べられています。
・考察1
タクシー運転手の社会的地位の低さと定着率の低さ
・考察2
タクシーの規制緩和の影響を受けて
・考察3
運賃収入と稼働台数
(稼働台数が多いと運賃収入が減少するのではないかという仮定から)
・考察4
過剰台数を減らすには
これが大学院の修理論文であれば、もう少し深く考察して欲しいと思う部分もありますが、短期間経験しただけの考察としてはなかなか本質の部分をとられていると感心しました。