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「風たちぬ」の喫煙論争

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「風たちぬ」の喫煙論争

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映画「風たちぬ」に対し、日本禁煙学会が下記のような要望書を送りました。
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映画「風立ちぬ」なかでのタバコの描写について苦言があります。現在、我が国を含む177か国以上が批准している「タバコ規制枠組み条約」の13条であらゆるメディアによるタバコ広告・宣伝を禁止しています。この条項を順守すると、この作品は条約違反ということになります。
 教室での喫煙場面、職場で上司を含め職員の多くが喫煙している場面、高級リゾートホテルのレストラン内での喫煙場面など、数え上げれば枚挙にいとまがありません。 特に、肺結核で伏している妻の手を握りながらの喫煙描写は問題です。夫婦間の、それも特に妻の心理を描写する目的があるとはいえ、なぜこの場面でタバコが使われなくてはならなかったのでしょうか。他の方法でも十分表現できたはずです。
また、学生が「タバコくれ」と友人にタバコをもらう場面などは未成年者の喫煙を助長し、国内法の「未成年者喫煙禁止法」にも抵触するおそれがあります。(以下、省略)
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これに対し「喫煙文化研究会」はファクスを通じ、以下の2点を主張。
 (1)(映画の)舞台になっている昭和10年代の喫煙率については、公式のデータがないが、1950年のデータを引用すると、男性の84・5%が喫煙しており、当時の状況を再現するにあたっては極めて一般的な描写である。
 (2)日本国憲法第21条で、明確に表現の自由が認められている。国際条約との優位性においては、現在「憲法優位説」が通説となっている。
 したがって「表現の自由に対する日本禁煙学会の『要望』は意味をなさない」とし「自国の国民同士がいがみ合うことなく、喫煙者と非喫煙者が共生できる『分煙社会』を実現するべきと考えます」と訴えている。
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 ネット上でも、日本禁煙学会からの要望書については批判の意見が多いようです。私も、その時代背景を忠実に表現したことに対して、今の基準で意見を述べるのはどうかと思います。

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