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公定幅運賃判決に思う

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公定幅運賃判決に思う
国が定めた公定幅運賃を巡って、福岡エムケイとの裁判でも、福岡地裁は運賃変更を命じないこととする判決を出しました。その理由として、記事によると、
“判決は九州運輸局長が公定幅運賃設定の際に、従来の運賃幅をそのまま採用した点を重視。「安い運賃にした場合の弊害の実態調査などを行わず設定しており、裁量権の範囲を逸脱している」とした。”
 「要するに、公定幅運賃を決めることは良いが、その決め方には十分な根拠がいる」ということだと思います。私も何度となく指摘していることですが、運賃の設定には具体的な根拠がほぼないと言っても過言ではありません。「運賃を下げたら成り立たない」という根拠もない。何故なら、価格弾力性がいくらだというものは決まっていないからです。
 今回の運賃や走行距離などの最近の裁判で分かったことは、「理論的な背景がない中でいろんな規制が取られてきた」ということです。タクシー運賃の審査は、総括原価方式で行われます。この方式が悪いとは言えませんが、会社毎に経費が違うし、売上レベルも違うので、判決からすると、かなり大きな幅での運賃にしなければならないことになります。
 このことに法律で対抗するには、幅運賃ではなく、「公定運賃」とすべきではなかったのか?いろいろと考えさせる判決でした。
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