営業区域外の問題について

今日の朝日新聞朝刊に、「近所のタクシー乗れない　福岡・遠賀の業者、処分手続き」という見出しの記事がありました。事業許可が取り消される一因として、本社から5分の地域を営業区域外というのはどうか、という趣旨です。
　事業許可取消しの本質は、営業区域外運送もあると思いますが、それはほんの一部のことであり、運行管理面での不備が大きいのだろうと思います。大きな死亡事故を起こしたツアーバスの会社も、運行管理面での不備が多くて、取消しのラインまでいきました。道路運送法違反の点数が、50点で事業停止、80点で許可取消しとなります。80点まで違反点数が届くには、かなりの項目で指摘をされないと届かないものです。朝日新聞では、隣町の営業区域外のみに焦点をあてていますが、果たして違反項目を全て把握して記載しているのか、疑問が残ります。
　確かに、営業区域にはどこか境界があるもので、境界の近くの会社は呼ばれたら境界外でも営業をしたくなると思います。当社も、中間市には数百メートルの距離ですから、中間市の仕事もあります。たまたま中間市も営業区域内になっているのでいいのですが、区域外だったら違反になっていたかもしれません。
　かと言っても、やはり違反は違反でしょう。今回のケースでは、鞍手郡の営業区域のタクシー会社の言い分として、「自分たちの営業区域で営業しないで」と言うでしょう。
　かつての「ビジョン小委員会」で、状況により隣町まで営業区域を広げてもいいのではないか、という意見も出ましたが、結局は制度として決まるところまでは行きませんでした。営業区域の問題は、今回の許可取消し事案とは別の問題として、議論していくことは必要だと思います。