バス停は誰のもの?
バス停って誰のものなのだろうと、よくわからなくなることがあります。
路線バスにはバス停がつきもので、旅客自動車運送事業運輸規則第5条に、停留所において掲示すべき事項が定められています。バス停の要件は、その掲示事項だけなので、写真のように1本立ってる掲示物がバス停なのです。バス停によっては、屋根があるものや、ベンチが備えられているものもありますが、それはバス停の付属物であってバス停ではないのかもしれません。ただ、所有者は恐らく設置したバス会社だろうと思います。
バス停が立っている道路(歩道)はというと、これは国道だったり県道だったりするので、所有者は都道府県市町村とかで、道路管理者は政令市の場合は市長が主に管理していたりします。バス停は、道路管理者が道路占用許可を与えているもので、バス会社が勝手に扱えるものでもないと思います。設置や移動の際には、警察に保安上の照会もするのだろうと思います。
バス停ができると、そこから10mは駐停車禁止になります。これは、道路交通法上の取り決めであり、いろんな法律や管轄が関わっているものだと思います。
さて、2番目の写真は、枝光商店街の「やまさか乗合タクシー」のバス停です。乗合タクシーのバス停を作るには、市の公共交通会議で承認を受けなければなりません。私はこの会議には出ていませんが、既存の路線バスのバス停を避けるルートにしなければ、バス会社が了解をしないので、ルート決めが困難だったと聞いています。どうしてバス会社の了解が必要なのでしょうか?「バス停は誰のもの?」という疑問が、このときから自分の中で解決していません。
公共交通は、同じ場所で乗り継ぎができるのがベストであり、少なくともひとつの既存バス停を接点にすべきなのです。そこのところを、バス会社の「嫌」という感覚だけでNOと言えるなんておかしな制度です。バス停は、道路管理者が占用許可を与えるものであり、言わば市民のものではないでしょうか?
1番目の写真のように、同じ位置に2つのバス停があって、しかもバス停の名前も違うなんていうのも何かが間違ってませんか?
2番目の乗合タクシーのバス停は、何とも貧弱なのでしょう。よく探さないと見つけるのも困難です。不思議なのは、これはバス停として認められているのでしょうか?認められていれば、ここから10mは駐停車禁止です。これは、タクシー会社が悪いのではなく、バス停は道路管理者がしっかりとしたものを作るくらいでもいいのではないでしょうか?補助金ももらえないタクシー会社では整備も厳しいと思います。
バスが撤退した後や、交通不便地区には乗合タクシーが運行する事例も増えてきました。ところが、このバス停ひとつをとっても、乗合タクシーを取り巻く環境はまだ整っているとは言えません。タクシー会社は、肩身の狭い思いをして、大手バス会社の顔色を窺いながら細々とやっていかねばならないのが現実です。早く市民権を得たいものです。