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ZOC運賃の分析その1

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ZOC運賃の分析その1
4月12日付西日本新聞に掲載されていた「ZOC領収書」より、少し自分なりの分析をしてみました。
 ZOC領収書は、次のようになっています。
――
乗車時刻 4月8日15時22分
降車時刻 4月8日15時36分
乗車距離 8908m
運賃   1,600円
――
これによると、乗車時間が、14分間で、距離が8.908kmなので、速度を求めると、
8.908÷14×60=38km/h
となります。つまり、平均時速38kmで走行していたことになります。
 実は、タクシーの売上を考えた場合、この走行速度がポイントになるのです。14分間の営業走行で1,600円であれば無駄なく走れて実車率50%(普通は片道乗車だから)としても、1時間の売上が3,000円を越えて、悪くない数字です。これでお客様が増えていけば成り立つ数字です。
 ただ、問題はこの速度で走れるかどうか、です。
統計的には、道路を走行する自動車の平均速度を求めたデータがあります。これを「旅行速度」と呼んでします。当社のまわりの道路ですと、時速30km代まで速くはなりません。少なくとも当社の回りでは、この時間でこの売上は見込めないことになります。
 ZOCは、時間制か距離制かをその場で判断して、高いほうを選択して料金を算出します。この分岐点が時速23kmの設定です。要するに、時速23kmより早く走ったら、全て距離制になってしまいます。遠賀地域では、ほとんどがそれより速く走行すると思われ、実質距離制のメーターと言えます。それなら、普通のタクシーメーターの改造で十分だったとも言えます。
 ZOCの良いとされる点は、そのシステムではなく、ただ単に安い料金設定なのだろうと思います。そこで、この安い設定が事業として継続できるレベルなのか、十分な検証が必要だろうと思います。
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