TOP > 書籍 > 「幕末維新の漢詩」という本

メディア

「幕末維新の漢詩」という本

  • LINEで送る
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
「幕末維新の漢詩」という本

20140813-093012.jpg


知人が執筆したというので購入した本です。帯のコメントには、「志士は漢詩にだけ、素直に心情を吐露した。だから本書を読めば、志士の真の姿がわかる。」と書かれています。まさにその通りで、志士が残した漢詩を読むことで、何を考えていたのかがよくわかります。
 江戸時代においては、漢詩が流行っていて、知識層が身につけるべき素養のひとつだったそうです。この本には、高杉晋作、桂小五郎、吉田松陰、西郷隆盛、勝海舟など、20名が残した漢詩の解説と共に、その時代背景が説明されています。漢詩の中にここまで歴史の事実が残されていたとは驚きで、今までにない視点からの幕末維新を読む本です。
 勝海舟の漢詩の一部を紹介します。
ーーー
官兵迫城日(官兵の城に迫るの日)
知我独南洲(我を知るは独り南洲のみ)
一朝誤機事(一朝機事を誤れば)
百万化髑髏(百万どくろと化さん)
ーーー
 官軍が江戸に迫ってきたが、その時、私の心中を知っているのは独り南洲(西郷隆盛)だけであった。もし、この機の仕事、江戸城明け渡しを誤っていたならば、江戸百万の民衆は髑髏(どくろ)と化し、全滅していたであろう。
ーーー
 これは、有名な江戸城無血開城を正面から読んだ詩です。こういった詩から、歴史が解明されてきたのだなあと感心した次第です。

  • LINEで送る
  • このエントリーをはてなブックマークに追加